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2012年4月4日

iPad2012雑感その後

色域の拡大。iPad1の液晶はかなり酷かった。
iPad2になる頃、解像度が上がるという噂があったが、結局はそうはならなかった。しかしこの時、色域はかなり拡大されていて、販売する側としてもユーザーとしても、この変化は歓迎すべき変化であった。現に、使用する距離の関係で、 iPad2の解像度に対してはそれほどの不満を覚えなかったし、色に対しても、カラーマネージメントがあればいいのになあ、と思うぐらいで、そこまで神経質になることもなかった。
実際にはiPadはまだ発展途上のデバイスであって、カラープロファイルや印刷プロファイルといった機能に対してはまだまだ追いついていないのが現状である。(アクセシビリティサポートがある点は大変評価したいところだ。)
iPad 2012では、カラーマネージメントに至らないまでも、調査によって、色域がsRGBと酷似しているところが確認された。簡単に言えば、 iPad 2012できちんと表示される色を作っておけば、ほとんどのディスプレーで正しい色が再現できるというものだ。これは、デジタルカメラやコンテンツを扱う人間にとっては、大変ありがたい進化である。iPad2ではその色域の拡大だけで写真などの表示がきれいになったように感じたが、 iPad 2012では、さらに拡大された正しい色域と印刷物に近い解像度でコンテンツを見ることができる。その際に、特にカラーマネージメントを意識することもない。これは、 iPad 2012がiPadプラットフォームのスタートラインに立った、といった前回の投稿を支持する。

バッテリーと重量の退化、または消費電力の増大。
いろいろと考えてみたが、やはり消費電力は増大している。ただ、それが必ずしもグラフィックスコアのせいだけに押し付ける事はできないと考えられる。
まずWAN側のLTEトランシーバーに対する電力量が増えている。これは日本で使用されていないはずなので、若干米国などのサービスインしている地域のものと評価が分かれるかもしれない。そしてwifiやLTEトランシーバーを介するネットワーク使用の量の増大。音声認識機能、ハイビジョンの動画、メモリーの増加による同時プロセス数の増加。後は月並みな意見だが、A5Xをフル活動するようなプログラムではその分電力を消費するし、細かいディスプレーに対してはバックライトが強力にならねばならない。バックライトの消費電力は推して知るべし、だ。こういった要素は、平均的な消費電力を押し上げ、結果として発熱や使用時間の短縮をもたらす。
つまり、新機能に対する対価が平均消費電力の増大であって、駆動時間十時間をキープするための解決策としてバッテリー増大、副作用として、重量が増加した、という流れである。もしかするとソフトウエアの改善で駆動時間が延びるかもしれない、と前回書いたけれども、少し難しそうな雰囲気を感じる次第。

だから、 iPad 2012の評価は、二極化する。
解像度の向上、色域の標準化、音声入力機能と重量・電力量の退化(それでもiPad1よりもマシ)を評価できるかできないかということなのだ。
確かに、A5Xプロセッサに対する評価は個人的に見て高いものでは無い。シュリンクを進めるか、テグラ3のようなコンパニオンプロセッサを搭載するなどのひねりが必要だっただろう。A5の時代から、ダイサイズについては改善の余地ありと言われてきた。もし今後発熱問題でiPadが熱暴走するようなことがあれば、それは間違いなくA5Xの問題だと思う。ただその問題は、実験状況以外では起きていない。46度という数字も独り歩きしていて、それがヘビーな3Dのゲームを45分間プレイしたという状況設定についてはあまり知られていないように思う。

簡単に言えば、新しいiPadは、 iPadである基準を今までのどの機種よりも満たしている。来年モデルが薄く軽くなるためには、より効率の良いプロセッサー、ソフトウエア、トランシーバーの開発だけでなく、液晶の更なるブレークスルー(開口率の高いIGZO,低温ポリシリコン,または有機elのような自発光retina-sRGBデバイスとか)も必要で、それが間に合うのかどうかについては分からないけれど、一度に全てが変わることはない気がします。
だいたい発売から一ヶ月経った感想としては、アプリ開発者のretina iPad対応を進めて欲しいと感じる程度です。音声入力、すごいですよ!音声入力のないiPad2には正直魅力が薄れました。

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