記事の更新は少ないです…が時々コメント欄で話題を広げていたりします。楽しいコメントをいただければ嬉しいです。
(返信できないかもしれません。ご了承ください)

2009年8月31日

Macの生きる道

よく考えると、Appleは
その社名からコンピュータの文字を外したあたりから、ネットブックメーカーだったような気がします。安くはないけど、プロ対象のモノでは、なくなっている。

ネットブックとちがってAppleのすごいところは、ソフトだけでなく、ハードウェアがSaaSに近いこと。
Googleが不要というわけではないけれど、MobileMeという強力なサービス基盤があり、さらに本体も、Appleのサービスが動くためだけに出来ている。そしてハードウェアは、モバイルにはiPhone、リビングにはAppleTV。机と鞄にはMac。
タブレットMacだけでなく、新しいAppleのプロダクトラインがこんなにも待ち遠しいのは、コンピュータのデザインをオフィス中心の設計から、幅広いフィールド〜ライフというのにふさわしい〜に広げてくれるんじゃないか、という期待にほかならない。

タブレットMacの出来によっては、もう家ではPCである必要がなくなるかもしれない。
かつてソニーが家のAV機器を独占したように、Appleが情報家電で必要不可欠になるようになるのかもしれない。
盤の上には、既にそれを実現するためのラインが揃いつつある。

問題は、ソニーがそうだったように、それが出来たからということに意味を与えられなければ、ライフスタイルは続かないことだろう。ブランドを身につける喜びだけでなく、スマートに情報のある生活を作り上げられるライフスタイルの追究、その道具としてのプロダクトだけがリリースされるべき。

2009年8月21日

富士フイルムがやってくれた

3Dカメラ。初体験してきましたが、すごすぎます!
その場所を切り取ってくる、という感じ。
あたりでその評判がにじみ出ているかもしれません。

立体に見せるには、同時間の右左の目の画像を記録して再生すればいいわけです。
そのため、カメラには2つのレンズと、左右の目に違う映像を映すことができる3次元液晶がついています。

普通の液晶で立体に見せる「ぷるぷる立体視」で、立体写真の威力を紹介しているサイトがあります。

最近のカメラの写りはきれいになりましたが、ほとんどの写真は立体感のない、のっぺりした写真が大量生産されます。1眼レフのテクニックで、背景をぼかすとか、被写体を浮き立たせるように見せる方法もありますが、やはり平面は平面。背景と被写体でコントラストをつけるとか、消失点を残すとか、うまく見せるためには利用者の撮影技術に依るところが大きかったわけです。
 ところがFinepix READ 3D W1では、半ば強制的に、誰が見ても立体感のある映像というのが再現できる。しかも動画に対応しているんです。立体動画です。

百聞は一見にしかず、ここで文字数を増やしても、このカメラのすごさは伝えられません。
店頭に見たこともないゴツいカメラがあったら、「かっこわるい」で切り捨てないで、ぜひ起動してみてください。電源ボタンを押すと、飛び出す映像がお出迎えして、そのまま立体の世界に誘ってくれるでしょう。

2009年8月14日

iPhoneの画面が破裂

Appleのユーザー対応は、前からいつもイケテナイです。

 iPhoneの画面破裂の前にも、古いPowerbook のヒンジ問題、iBook G3のGPU熱故障問題、Powerbook G4のキーボードが溶ける問題、iMac G5やMacbookの突然死問題、iPod nanoのバッテリ発火と山ほど問題があるので、今回の問題も正直またかという感覚で見ていますが、それぞれ対応がまずいですよね。
 僕が実際に経験があるのはiBook G3のGPU熱故障問題ですが、これは幸いなことにリコール対応になったので、無償交換を1度してもらいました。しかし、別に基板に対策が施されたとか、そういうわけじゃないんですよ。だから、じきに壊れるってことですね。ちっとも安心できない対策です。

 今回のiPhone破裂の件は、おそらくですが、iPhoneの最底部にあるバッテリが外部の熱や衝撃によって異常に膨張させられた結果、基板→液晶→表面強化ガラスと圧迫させられ破裂したのではなかろうかと思います。iPhone 3GSの発熱問題はすでにgizmodoなどによって報告されています。一部の保護ケースが原因で熱がたまってしまうという見方もありますが、それでも車のシートを溶かしたとかいう話を聞くと、設計に問題があるような気がします。

 フェイルセーフというデザインのガイドラインによれば、何らかのトラブルがあってもそれが致命的にならないようにしておくことが大事なんだそうです。車のエアバッグやクラッシャブルゾーン(そこが壊れることで、客席・乗客への衝撃を吸収するゾーン)はフェイルセーフなんですね。
 今回のiPhoneの画面が破裂、というのも、原因がどこにあるにせよ、けがをさせたのは結局の所ガラスの飛散なわけですから、Appleはガラスの飛散防止フィルムを配ったり、製造段階で一枚貼付する程度の対策で、利用者へのガラス飛散による怪我の対策になるわけですよ。(もちろんバッテリの膨張という原因はまた別に対策すべきなんですが、バッテリの膨張は、Appleだけでなくデジカメでも携帯でも起こっていますから、難しいのでしょう)

 日本ではまだ起きていないとか言いだすのは、デザインをする会社の対応としては、きわめて悪い対応だと思うのですが。

2009年8月10日

【予想】iProdの不思議

徐々に輪郭が現れてきたiProdことAppleの新しいタブレット型のウェブコンパニオンですが、そのままiPod touchを巨大化するようなアプローチではないはずです。

1.画面の拡大と入力機構のミスマッチ
 画面が拡大するということは、今のような片手に最適化された入力機構は使えないということです。さらに、タブレットPCがそうだったように、特にソフトQWERTYキーボードは、画面とキーボード面が同じ平面にあると使いづらいはずです。そういう面から、今までの入力機能は単純にはiProdに適していないはず。このために、新しい入力機能を備えているでしょう。
 考えられそうなのは、音声入力を積極的に利用していく形の入力。指の利用は、訂正とか、予測候補を選ぶだけに限るやり方。これなら比較的快適入力ができる反面、屋外や騒音環境下では逆にイライラするかもしれません。適さない場面も想定して、iPod touchのようにキーボードは選べるようになるはずですが…UMPCの扇形キーボード+iPodの指の影に隠れない表現、みたいなものが加わるのでしょうか。持ち方を規定するので、あんまり好きではないんですが。個人的には。
 あとは、もはや完成の域に達しつつある手書き入力です。が、これは(2)で挙げる問題があります。

2.デジタイザ技術と画面の大きさのミスマッチ
 iPod touchの小型の静電容量式デジタイザは片手でタッチするには適していましたが、そもそも静電容量式のデジタイザは、それほど大きくできない点、解像度がそれほど高くない点、そして「指先とそれ以外とを区別できない」問題がありました。大型の静電容量式デジタイザでは、タッチするにも筆記するにも不向きなデバイスです。
 静電容量式のデジタイザの美点は、マルチタッチのほか、筆圧がほぼゼロでいけるというところと、感知する部分としない部分のキワに厚みがいらない、というところ。iProdで静電容量式をやめてタッチ圧があがるようであれば、きっと微妙なことになるだろうな…。というわけで、個人的には、感圧式タッチパネルはナイと思う。
 そうすると、プロプライエタリなワコムの登場になりますが、ワコムのいままでのタッチパネルは薄膜抵抗式だったはず…と思いきや、Reverse Ramping Field Capacitiveタッチというのがあるそうですね。詳しい構成がわからないので、何とも言えませんが…。これでしょうか?
 きっとiProdは薄くて軽くて大きいというラインを死守してくるでしょう。きっと、Macbook Airの液晶画面のみを外してガラスを貼り合わせたようなものになるんではないか、と。(密度の関係もあるし、iPhoneのガイドラインを利用するかもしれませんが。)そうすると、入力機能としてタッチのみにするのかペン入力もサポートするのか、という点だけ考えてみると、iPod touchアプリだけならペンいりませんね。持ち替えの手間を考えても、ペンが無いほうがいい。
 ただ…個人的に期待するのは、サイズのことも考えて、用途のことも考えて、ペンありです。もちろん。

3.画面サイズの拡大と解像度のミスマッチ
 解像度がどうなるのかが謎です。
 iPod touchの解像度は480x320です。いわゆるHVGA(Half VGA)解像度で、その他は対角距離3.5インチ、縦横比3:2、密度163ppiという数字です。密度を保つように8.4インチにしたとして、1152x768です。コンピューター用のパネルの主流が16:9になるようなこのご時世、こんな3:2のパネルなんてあるんでしょうか。
16:9として、1024x576。しかし視野角の面から、ネットブック用のものは使えなさそうな・・・。端的に、12.1インチ1280x800になるんでしょうか。
 入力方法がわからないこともあって、全く予想がつきません。

…次の情報を待ちます。

2009年8月7日

なんか違う、秋葉原の一部の方々

秋葉原に行くときに行く、中央通りに面した、小さな雑居ビルの3階にあるモバイルグッズの店。
そのビルの上には、はやりの耳かき屋とか、そういうのがあるらしく、エレベーターでそちらのお客と一緒になったりするんですね。
そのお客っていうのが、高校生だったり、中年ごろの方だったりとバリエーションがあるんですが、高校生なのに3000円だかのサービス料を安いと言っていたりして、なんか違うよなー、と思ったり。

これがらみで気になる話といえば、どうやらお金を払うと秋葉原で歩くときに従業員の方がご一緒してくれるサービスというのがあるようなんですが、時々漏れ聞こえてくるこの二者の会話っていうのが、なんと言うか、妙に高圧的で。気になります。金払ってるんだから、みたいな…。それが疑似恋愛なのか?

この間の犯罪、月40万近くもつぎ込んだ結果の犯罪だったようですが、なんとなく、予備軍はたくさんいそうな気がします。

雑感でした。

2009年8月4日

Google以外の危機

GoogleがAndroidを本格化することで、プラットフォームが持って行かれてしまうのではないか、という心配はもちろんあるわけですが、サービスが持って行かれてしまう、という問題もある、というよりも、そちらのほうが大問題のような気がします。

たとえば、WindowsMobileのGoogle Maps。 iPhone/Touchのマップアプリ。Googleのモバイルサイト。これらは少なからず端末ごとにカスタマイズされているわけですから、GoogleがAndroidを盛り上げていく中で、他の携帯端末との間に差をつけることは考えられるわけです。他の端末は広告収入を入れてくれればよくて、Androidは広告収入+契約収入が入るわけなので、Androidのユーザービリティが高いほうが、ありがたい。

検索のほうではMSはBingができて好調な滑り出しをしているようですがmsn live全体としてはまだまだ微妙。Appleには検索はないし、mobile meが有料である限り、googleなしにはうまく顧客をゲットできないような気もします。

どんだけGoogleの無料サービスに頼っていたか、いなくなりそうになって初めてわかるデカさでした。

2009年8月2日

ウェブタブレット

Crunchpadを見ていると、タブレットPCは変われるかなぁ、と不安に思う。

タブレットPCはMicrosoftが2004年頃に提唱した、ペン入力ができるWindowsの規格だった。タブレットPCの難点は文字入力の遅さと価格が高かったこと。初代から数世代でほとんどのメーカーが発売を止め、今では一部の顧客用に細々と売られているのを法人サイトで見つけられるのみになった。

しかしペン入力、タッチパネルのイノベーションは、これらの問題点を補うような形で、姿を変えて登場することになる。AppleのiPhone / iPod touchは携帯入力をサポートすることで入力速度を、フルPCにしないことで価格を下げることができた。しかも、今後タブレット型のMacを計画しているとのこと。価格をクリアすれば、これは強烈なインパクトになることが想像できる。
一方のCrunchpadは低価格のウェブタブレットで、Linuxをサポートする。ネットブックの部品を使うことで、価格面は数万円まで下げている。しかし、いまだハードウェアの仕様決定や価格の予想は報道されているが、ソフトウェア面では、初期のプロトタイプで予測なしのソフトウェアQWERTYキーボードが表示されていたくらいの情報しか報道されていないように思う。

この両者はとがっているという点では似ているが、ソフトウェアの完成度という点では雲泥の差がついている。Crunchpadでできることは、もしかすると、iPod touchやiPhoneでできてしまうのかもしれない。そうすると、Crunchpadの敵は、$99から契約できるiPhoneや、$199のiPod touch。価格面は、パソコンに比べれば安いのだが、現時点でわかるソフトウェアエクスペリエンスで比較すると、そんなに安くないのではないか。

逆に、Appleの新製品は例によって全く情報が出てこないが、相当のエクスペリエンスを請け合うだけの実績はマックフリークでなくとも、誰しもが認めるだろう。しかも今回は、入力機構についてiPhoneでのソフトウェアキーボードや音声インタフェースのVoiceOverがあるわけだから、かなりの期待が持てる。MSの提唱したタブレットPCは、ほとんどの人がただのWindowsにしては高い、というものだった。その視点は、もったいない。多くの人が、手書きエンジンとJournalを見出し、タブレットPC専用のソフトを使えば、タブレットPCがすごい可能性を持っていることは発見できた。

こういうガジェットを今までのメタファーで使わせてはいけないのだ。(Wiiにしても。Wiiの中身はGCとそれほど変わりがないが、OSとインタフェースを変えることが重要だった)ユーザーに今までのメタファーを使わせないようにするのは、メーカーの工夫だ。iPod touchはiPod シリーズではなくて、iTouchとかNewtonとか、別ラインとして売った方がよかった、という話をしたことがあるけれど、少なくともMac用のソフトは動かせないとか、あるいは動かせるにしてもMade for iTabletとかの認証をつけるとか。または名前を変えるとか、インタフェースを制限するということが大事(これはAppleTVにあてはめて考えてみてほしい)だ。

マイクロソフトはWindowsとそれに乗っかるOfficeしかない、という思いこみが、ラインアップの幅を狭め、失敗を生んだ。そうならないためにも、Appleはあたらしいウェブタブレットを何として売り出すのかについて詰める必要がある。

Crunchpadは、敵が誰なのかを確認する必要があるだろう。敵は$99なのか、$499なのか。