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2011年11月25日

【メモ】タブレットを整理する

いまタブレット端末はカンブリア爆発を迎えようとしています。

たとえば、表示装置については液晶から比較的大型の有機ELや3Dパネルが、広域無線については3G WWANからHSPA、LTE、WiMAXが、インタフェースについては静電容量タッチパネルに加えて電磁誘導タッチペンやフェイスカメラを用いたジェスチャー入力などが控えており、あまりに横並びになってしまっているタブレットが一斉に独自進化を目指しているというところです。

ソフトウェア(主な機能とその処理速度)、ハードウェア(センサーやインタフェース)の面からタブレットがどの方向に進化しようとしているかを整理してみたいと思います。

【ソフトウェア】
ゲーム:フリーミアムモデルに基づいた課金システムでゲームハード化する方向性。GPU、マルチコアCPU(Tegra3)など最新最速の処理装置を活用するほか、利用(最適化)するGPUの種類などが差別化要因。

映像コンテンツ(Huluなど):著作権者がコンテンツを有料配信する。LTEやWiMAXなどの高速通信を活かす方向性。独自の課金システムを使うためiPadとの差別化要因となる。

映像コンテンツ(DLNA、DTCP-IPなど):地デジレコーダーで録画した映像を再生する。日本独特のコピーコントロールシステムの一部として機能するため、iPadや国外メーカー(Samsung GALAXY, ASUS, HTC, LGなど)との差別化要因になる。今のところシャープ、富士通が対応機種を製品化していて、ソニーが対応を表明している。処理能力不足や無線規格の速度不足によって高画質動画の再生がもたつくことがある。外出先では映像を見ることが出来ず、LTEやWIMAXなどの4G通信を活かしていないので、もし実現すれば面白い機能になる。

電子書籍:日本ではゆっくりだが進行している。翻訳や装丁に支払われる部分が多いため小売価格は安くならない様子。機能がシンプルなこともあってどの端末でも「とりあえず」表示できることが多いが、電子読書が好きになるほどの嗜好性がまだないこともあって進化の可能性がある。アップルiPad、シャープGALAPAGOS、ソニーREADER、アマゾンKindleが垂直統合のシステムを持つ。表示装置の最適化やメモ書き、線引きなどハードウェアの対応が必要な部分もあり、垂直統合が鍵。

【ハードウェア】
有機EL:コントラストが高く鮮やかな色合いで写真や動画の閲覧に最適だが、色ムラ、焼き付き、経年劣化など問題がある。多くの有機ELではコストを下げるために画素を減らしていて、文字など線状のものの表示には向かず、電子書籍にはあまり適していないが、黒の表現については液晶と比較にならないほど高性能。現状SamsungとLGのみが採用しているが最大でも5インチとタブレットと呼ぶには小さい。

電子ペン:細かい操作に適した入力装置で、専用ペンを使う。WindowsやMacではタッチや電子ペンがマウスと同じインタフェースに帰結してしまっていたためニッチな存在にとどまった。タブレットでは指タッチと同じ面で操作するため手の側面が誤検知されるなどの問題があるが、標準化の仕方によっては今後が期待できる。レノボThinkpad Tablet, サムソンGALAXY Noteなどが商品化している。

ジェスチャー入力:富士通が商品化。タッチパネルが指以外の水滴などに反応してしまうので、防水タブレットには採用されている。インタフェースとしては利用範囲や利用形態が狭いので、今のところそれほどの差別化要因にはならない。

3D:シャープ、HTCが商品化。立体コンテンツの視聴だけでなく、インタフェースとコンテンツを距離で分離できるので操作性にもよい影響を与えるが、目が疲れる、立体に見えないという人もいる。実際に距離感を感じるためには端末との距離や角度、利用者の目の機能などにも大きく制約される。3Dコンテンツが現状3Dビデオカメラの映像やゲーム・アニメに限られるため恩恵も少なく、差別化要因としてはわずかだがインパクトは大きいので今後の標準化(意図通りの立体に見える確率を上げる)に期待。

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