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2008年4月17日

シャープの事情

シャープのモバイルPC、MURAMASAのことを最近聞かない。

薄く小さくを目指していたシャープMURAMASAは、初代MURAMASAでpentium3を採用しながら薄さ20mmの超薄型ノートPCを開発した。さらにその後、低消費電力のTransmetaのプロセッサ TM5800でさらなる小型化に成功したが、Transmetaのプロセッサ速度に対する悪い評判が立ってしまった。その後より高速なTM8800を採用するも、その頃PentiumMが圧倒的に高性能・低電力だったため「遅い」というイメージを払拭できなかった。やがてTransmetaはIntelに敗北し業界から去った。しばらくはPentiumMの時代が長く続いたが、Coreシリーズの登場でCPUの消費電力(=熱)の枠を大幅に引き上げられ、結局のところ2007年は、薄型小型のコンピュータの設計に無理のある、バッテリ駆動時間が3時間以下の、大食漢のコンピュータが流行した。折しもVistaによってパワーのあるCPUが必要であるかのようなデマが飛び交っていた時代でもあり、シャープの薄型PC、MURAMASAは出る幕がなかった。

ところが、ここに一筋の光が差す。
UMPCというジャンルが第二の波をたてた。7インチ程度のディスプレイに低消費電力のプロセッサを組み合わせて、WANを活用したネットワークコンパニオンをつとめさせようとするデバイスである。
思い起こせば、WillcomのW-ZERO3、E-MobileのEM-ONEなどはシャープの作品であった。
そして、その流れを継いでか継がずか、Centrino Atomを搭載したWillcom D4の発表だ。
おそらく、MURAMASAとW-ZERO3は一体になって、帰ってきたのだろう。

シャープによれば「こういう製品は、Willcomのラインで販売したほうが数が出る」ということらしい。
携帯電話も手がけているシャープならではの戦略だ。
しかし、「これはPCなのか、それとも携帯なのか」という記事がWEBを賑わせている。そして、PCだという認識をする記事もある。

D4の発表会にWillcom,Sharp,Intel,Microsoftの首脳が集まった。
「WillcomD4は、Vistaのエクスペリエンスに加え、定額ネットワークを安価に提供でき、低消費電力で駆動する、わずか470gのUMPCです」ということになるだろう。
電話という要素がおまけになっていることは気になるが、もしかすると、そんなことは小さいことで、D4はUMPC大流行の先駆者(あるいは、早すぎた天才)なのかもしれない。

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