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2012年3月8日

貧乏人カメラ考~フルサイズを知った上でのAPS-C

マイクロフォーサーズだNEXだ(Nikon1も、いちおうQもか)とミラーレスがこの世の春を迎えています。

EVFの進化もあり、ファインダーは像の大きさやピントの合わせ方(拡大してピントを合わせられる)については、すごいなあと思いつつも、おじさんついて行けないところがあります。常識破りが多すぎて。EVFって背面液晶と何か違うの?とか思います。あ、ちなみにEVFはのぞくところが電子表示になってるやつです。SONYの最近のとか、NEX7とか。

まず、フィルムサイズとミラーのサイズとファインダーの像は基本的には一致する常識がEVFで覆されました。どんなセンサーサイズであろうともファインダー像や背面液晶は大きくて明るい。これがまずわからない。

ファインダーの大きさ・見やすさはそのカメラがどんな人をターゲットにしてるかの指標にもなっているし、絞りを絞ったときの被写界深度のプレビューにもなるし、元々どのくらい光が差してきているのかが、レンズを通してファインダーに届くことで感覚的にわかるようになる。「なんかこの風景いいなー」と思ったときにファインダーをのぞくと、何がどう綺麗なのかがピンとくる。そしたら、その「よさ」以外の部分を徹底的に排除し、「よさ」を強調するためにどうすればいいのか考える。そして撮る。伝えたい部分を尖らせて、ノイズを減らしていくのがアートじゃないですか。デジタルなら試し撮りもできるし、結果もすぐわかるし、とても便利。ホワイトバランスとか絞り・シャッター速度にISO感度の要因も増えてしまうのでデジタルは覚えることが多いかもしれないけど、やれ現像だ何だともたつくフィルムに比べたら習熟の速度は圧倒的に速い(はず←いいコーチがいれば)。

話を戻して、まあ今時の人はケータイでもミラーレスでもライブビューで撮ることになれすぎて、センサーについての概念がぼんやりしているんじゃないだろうかと思う。フィルムは手にとるものだし、ネガとして手元に残るけど、デジカメ分解したり秋月電子に出入りしてCCDセンサーそのものがどうなっているのかわかる人なんてそういないんじゃないかと。数字でだいたい対角何インチだ、くらいの理解だと思う。それで語れるのがデジタルのいいところでもあり、その実、実感に達しないところでもある。

APS-Cサイズもフォーサーズのサイズもそんな大して変わらないんですよ実際。みんなが思ってるほど大きくないというところだけ共通。35mmのフルサイズはそれに対してかなり大きい。面積で3~4倍くらい大きい。そんなセンサーを固定するネジも、基板も、支持するアルミ板も、相当のサイズになる。ミラーもシャッターもペンタプリズムも大きくなるし、それを支持する構造も相応のものになる。だからフルサイズのデジタル一眼レフはギッシリ・ミッチリ感がすごいし、財布もギッシリしていないととてもじゃないが手を出せない。ニコンはデジタルはAPS-Cサイズがいまのところベストサイズということでしばらくフルサイズを出さずにいたけども、それも頷ける。(もう出してるけど。)

だから、今のデジタル一眼レフとかミラーレスには便利で特に望遠には満足しつつも、がっかりしている部分が少なからずある、というのが今回のテーマ。

たとえばフォーサーズの場合は35mmサイズの対角1/2倍。フォーサーズは元々が「35mm版の面積の1/4」を標榜してフルデジタルな設計だから、25mmが標準だと言われればそういうモンなんだと(100歩譲って)考えることが出来なくもない。だってフォーサーズのレンズはどう逆立ちしてもフルサイズのボディには使えないから。人物を写すとき、一番綺麗に写るのは85ミリと言われている。85ミリのレンズをフォーサーズにつけると35mmサイズでは170ミリ相当になる。バストアップの写真を撮ろうものなら、「そんなに離れて何してるの?」と言われかねない焦点距離。まあそういうこだわりも、ケータイカメラみたいに「写ればええやん」の波にかき消されていくだろう。フォーサーズが変と呼ばれる理由の一つだろう。

で、APS-Cサイズの一眼レフの場合、センサーのサイズはフルサイズの1/1.5倍=2/3のサイズ。しかも元は35mm版の歴史をもっていて、APS-Cサイズ専用レンズでなければ元々その1.5倍の面積が撮影できるはずの性能を持っているわけだから、誰がどう考えても「いずれはフルサイズに!」と思っている人もそこそこ居られるはず。少なくとも僕は。ていうか今のラインナップでAPS-C専用レンズだけ集めてる人なんているんだろうか。

でも先に述べた理由で、フルサイズのデジタル一眼レフというのはまだまだ高嶺の花だし、たぶんメーカーでも実験段階だと思う。だから今フルサイズのデジタル一眼レフをドドーンとお買い上げになれる人はうらやましい限り。

で思った。フィルム回帰

ホワイトバランス、ISO感度、現像の手間とコスト、いろいろ問題はあるけどデジタル一眼レフをドーンとお買い上げになるよりもお安く「体験」できるんじゃないか?という算段。

どうせAPS-Cサイズの一眼レフは持っている人は持っているわけだし、ほとんどの撮影はそれでやるだろうけど、たとえば高層ビル群を前にして、あるいは5000メートル級の山を目の当たりにして、あるいは広大な広大な花畑を目の前にして、手元にフルサイズでも使える広角レンズがありながらボディがAPS-Cだったら泣くだろう。10年後にはまちがいなくアルバム見せながら「もっと広かったんだよ」って言ってる。

そんなとき、コンパクト(ほとんどのフィルム一眼レフはデジタルより薄い)なフィルム一眼がバッグにいれば。撮影や保管など色々と難しいかもしれないけど、ライフログとして胸を張れるモノを残すことが出来る。

フィルムは相次ぐ撤退で、少なくとも希望のフィルムがすぐに手に入ることはないだろうけど、フィルム→デジタルが実用になるならそれもアリかな…と思った。

問題は富士フイルムのフィルム→デジタル変換サービスが200万画素相当の変換しかしてくれないこと。1000万画素くらいにならないのか。

フルサイズ一眼レフを1日レンタルする料金でフィルム一眼の結構なやつが買えちゃうのって、すごいアンバランスだよね。まさにpoorman’s SLR。一台いっとこうカナ?

DSC_0301たぶんフルサイズなら全身入ってた。トリミングで見せれるレベルになってた。そんな感じ。(これは別に意味もないカットだし、ピンも来てないし、絶対フィルムじゃ撮らない被写体ですが。)

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