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2011年9月26日

ナウなヤングのデジカメ

出た当時は見向きもされなかったりキワ扱いされたモノってけっこうありますよね。
個人的にはシャープ率が高いんですが(ザウルスとか)

有象無象のモノの一握りが時代を変化させていく瞬間(発表)と、その新時代がスタンダードになり最適化されたモノが出るまでにはずいぶん開きが(といっても、今は1年くらいでスタンダードになってしまったりするけど)ある。利用者=顧客が多ければ多いほど、あるいは多くしようとする企業努力が高ければ高いほど、その速度は速い気がする。

そんなモノの中で僕が面白いなと思うのは、あまり顧客が多くない、ニッチな、あるいはメーカーの企業努力や体力が低く、目の付け所はシャープなのに尻すぼみになってしまっているモノ。なかには芽のでない種もあるけども、たとえば前述のザウルスなんかは、通信インフラが高くニッチで一般的ではなかった時代には見向きもされなかったけど、部品が小さく薄くなり、通信インフラが手に入るようになり、「携帯電話」として認知されるようになり、形を変えて芽吹いている。時代に恵まれずに芽が出ていない種もそこそこある。この宝探し感が面白い。

いま方々で花開いているスマートフォンのブームは、ある製品についてではなくて、世代について見たときのアーリーマジョリティのように見える。スマホにしたけど、遅かったり電池が持たなかったりしてがっかりした人もたくさんいるだろう。フィーチャーフォンに戻りたい人もいるだろう。それでも、スマホなしの未来はもはや想像できない。らくらくスマホ、だれでもスマホになっていくだろう。キャズムは期待と現実の狭間なんだと思う。えてして、よく知らない若い人のほうが大きな期待をしやすく、老賢になればなるほど、期待で自分の胸を躍らせることが難しくなる。

僕はスマホにはたくさん期待しているし、スマホのある未来を望んでいる。けれどあくまで「ちょっと先取りしすぎたところ」に魅力を感じるのであります。もちろん有象無象といったくらい、多種多様なものがあるので、もうちょっとやそっとの沼ではない。そういうところが、面白い。

で、今ウォッチしているモノの一つは、デジカメ。というか、3D。

このネット全盛の時代において、3Dデジカメはネットとかなり相性が悪い。レビュー記事ではどうやっておもしろさを伝えようかとあの手この手で紹介していたけれども、いまいち紹介しきれない。とにかく手にとってもらうまでを記事にするのだが、実際に手に取って展示品で写真を撮ると、今までのデジカメの構え方では「必ず」といっていいほど右手が写り込む。そういった設計の些細な問題が、3D写真の適応層を少なくしていく。(おまけに今ではユーザーレビューサイトの所為で、ネガティブキャンペーンが日常的に行われるようになってしまった。こういう選球眼も目的もない一時の感情丸出しのレビューは基本的には百害あって一利なしと感じる。蛇足ながら、あまり参考にしないほうがいいと言いたい。楽しんでいる人=適応している人の意見を参考にすべきだ。)
結局、Fujifilm FinePix REAL 3Dシリーズを買った人は、旧来からの立体写真好きか、懐に余裕のある人か、どちらかだろう。

撮りづらかったり、閲覧環境が制限されはするけど、でも立体は絶対的に面白い。

写真は上手下手があるけども、その分岐路の一つに構図の良し悪しがある。主体・主題を浮き上がらせるために、被写界深度だのフレームだのを使い分けて、そこそこの枠内に収めないと、何を表現したかったのか分からない写真になってしまう。特にコンデジでは難しい表現。それは、背景をぼかしたりテクニックを使って表現しないと「見えない」からだ。それが立体写真なら、ある側面においては、被写体をほとんど意識せずに表現することができる。存在があるということをくっきり写すことができる。消えていく・変わっていく儚さを手軽に表現するのに、立体ほど適したものはないだろう。自分の遺影はぜったい立体写真で撮ろうと思えるほど。(「記憶に残したいものは、立体で残す」的なコピーで。)

ただ、そういう面では面白くて、持っていて損はしないよと言いたい所だけど、そうはいっても閲覧環境に難があることは確か。デジカメの液晶で見るか、3DSで見るか。アルバムにあたるパソコンの閲覧環境も一部は全画面3D表示のみ対応という機種もあるにはあるが、部分3D表示もできないし、管理ソフトもJPEGやRAWほどのものがあるわけもなく、適しているとは言い難い。いまのところ、デジカメの液晶でみるのが一番という状況。
それが、スマホの流行で、もしかするとデジカメで撮る→スマホで見る・貯めることができる(かもしれない)状況になってきた。FinePix REAL 3Dは赤外線がついてるのに、赤外線で送れるのはJPGファイルのみ。ぜひMPOファイルの赤外線送信や受信に、スマホメーカー(というかシャープ)やデジカメメーカー(ソニー、富士フイルム、パナソニック)は対応してほしいなあ…。

あと、今のコンパクトなFinePix REAL 3Dではマクロが苦手というか、撮影可能距離がある程度制限されています。だいたい3m〜30mくらい?の距離に被写体があるときに良い写真がとれるようです。

それでも立体写真。するめのようなかみ応えのあるモノだなあと思います。お試しではなくて、趣味にしてる人が多いのも頷ける面白さです。人気が出ずに値段も下がってきたせいで、敷居が下がってきてくれたのも、今オススメできるポイントです。

3Dデジカメ FinePix REAL 3D W3をチェック

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