記事の更新は少ないです…が時々コメント欄で話題を広げていたりします。楽しいコメントをいただければ嬉しいです。
(返信できないかもしれません。ご了承ください)

2012年5月26日

私は、画素ピッチに負けてもかまわない。

最近のレンズの技術革新がすごい。

たとえばニコンのナノクリスタルコーティングという技術は、レンズ面の反射を飛躍的に抑えこんで、画素に入る正常屈折光の量を増やす。20枚近いガラスを透過させるズームレンズにとってわかりやすい技術革新なんだけど、なぜこんな技術が必要なのか。

画素ピッチが狭くなっているからだ。

以前は異常分散光を減らせば十分なコントラストが得られたのが、いまや手ぶれ補正や透過特性をもって、素性の好い光を増やさねばならないところに来ている。鏡胴にNマークのないレンズでは、もはや20MPに近いカメラでは、等倍時の画質低下が避けられない状況になっているのだと思う。ニコンが12MPにこだわったのは、高画素化を進めて画素ピッチが4マイクロメートル台になった場合のことを想定して、Nレンズがそろうまで待っていたのではないかと思うほど。某掲示板でも多くの人がエヌいいよ、エヌと言っている。レンズは資産などと言っていたのはフィルムとともに終わり、すでに過ぎた昔の話だ。

いっぽうで、僕が(いろいろ浮気しながらも)ニコン一眼レフのユーザーを続けているのは、昔のレンズが使えるからという財政上の理由にほかならない。それなりのレンズが安いのはとても重要で、ワイド4ツ切り以上の印刷をしない自分には、高画素化よりもむしろ重要度が高い。

ところが、そのことに気づいたのは、昔のMFレンズを絞り優先で使うために、D90からD7000に変えてからだった。同じレンズで12MPから16MPに上がったけれども、全く解像感の向上に関する実感がない。それと同時に、等倍表示のピントチェックに疑問が出ることが増えた。高速シャッター優先で、ISO感度も全体的に上がったし(ノイズ耐性は、新しいセンサーのほうが好いのだが)、微細な手ぶれの問題もさることながら、色がべったりとして、全体がフレアっぽく出ることが多くなった。これでは、趣味ではいいとしてもピクスタさん等を利用してくださってる人には全くデメリットじゃないかという。

Nコーティングはもちろん、故障率の上がるVRも使わないレンズ群でやりたい僕にとってはキビシイ仕様だ。

D800では36MP、エントリーのD3200すら24MPのセンサーを搭載してきたけど、ニコンが次の需要として何を考えてるのか何となくわかってきたような気がする。僕には、手元の焦点域のレンズを全部Nにするほど投資しても(リターンがあるなら別だけど)意味がないので、僕は画素ピッチに負けている。それでもいいやと思う自分がいる。

というわけで今日もD700の中古相場をぼんやりながめている。D7000の下取り額を横目に。

0 件のコメント: