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2009年6月12日

「HDD容量」はどういう意味を持つのか

HPのタブレットPC 2710pに Mtronの32GBのSSD(3018)を導入して、いままでVistaで運用をしてまいりました。SSDの消耗を避けるために、32bit OSに4GBのメモリーを入れて、800MB程度のラムディスクを一時フォルダに割り振ってあります。そこに128MBの仮想メモリも、お慰み程度に。

最低限のOSとアプリケーションを入れた状態で残り2GB程度なんですが、データはすべて外付けHDDにあるので、データ容量に関しては問題なし。数百ギガバイトあるデータも十分保存しておけます。
ではトラブルはどこに起こるかというと、テンポラリファイルと仮想メモリに帰結するものが多いです。最近「メモリが足りません」という表示がけっこう起こったり、ちょっとした量のグラフィカルなページを印刷すると、すぐスプールがSSDの容量を食いつぶして、「印刷失敗」となる。これでは、「ちょっと重め」の仕事もできない。結局、デスクトップPCが出動しなければならない事態に直面している。

最近のアプリケーションのメモリ消費量がすごいのか、と思うと、そういうわけでもない。firefoxは300MB程度にまでなるが、それを頂点として、他のアプリケーションのメモリ消費はたいしたことがない。普段はメモリは2GBも使えば多い方だ。

ということは、問題の所在は、仮想メモリということになる。すなわち、グラフィックソフトのようなメモリをダイナミックに使うソフトを立ち上げるときにメモリ不足に陥り、仮想メモリを利用しようとするが、SSDにとれる仮想メモリはわずかなため「メモリ不足(と同時にSSD容量も0バイトになる)」ということになる。

WindowsVistaにとっても、xpにとっても、HDD容量とはシステム領域であるばかりでなく、無限に膨らむテンポラリフォルダであり、メモリの制約を逃す広大な仮想メモリのよりしろであり、それからユーザーのファイルがあるフォルダなのだ。システムがファットになるのも頷ける、考え方である。いったいどういう頭で、「HDD必要容量 15GB以上」とか言えるのだろう。

…と愚痴を言っても仕方がないので、展望として、これからのシステムは、one-big storageではなく、これらの意味を分担させる必要があると考える。
・テンポラリフォルダはあくまで一時フォルダなのであって、永続する必要はない。むしろ高速であり、一定の容量があることが求められる。(アプリケーションは、一定以内の容量で作業することを求められる。)
・仮想メモリは低速な一次メモリとしての位置づけであるから、高速・Volatile・大容量な性格を持つことが求められる。DDR2メモリを4GBくらい入れられるExpressCardがあればいいのに。
・ユーザーのファイルは、ローカルに保存されているという素朴な時代から、今や交換をしたり、共有をしたりすることが当然のように求められている。だから、ユビキタスと結合して、ネットワークとして存在する方法もあるし、コンピューターとユーザーファイルを組み合わせるのではなく、ユーザーとユーザーファイルを組み合わせる(つまり、USBメモリなりポータブルHDDなり)をユーザーが持ち歩くということ)をすることも理にかなっている。「マイドキュメント」ではもうダメ、いよいよ「ブリーフケース」の時代ということ。
・システムの起動役として、SSDはとてもいい性能を持っている。すでに多くのユーザーが体験し、その性能については納得しているはずだ。だけど、SSDはシステムの起動役としてはよい性能を持っているが、その他3つの意味づけに対しては、HDDよりむしろ向いていない。容量の少なさと、寿命が短いためだ。

これらの問題が明らかになったのかどうかは知らないが、SSDとHDDとが両方内蔵されたパソコンも出てきている。これからは、それがスタンダードになってほしい。HDDがリムーバブルになるとか、無線ストレージになるとか、何か受け入れられる仕掛けがあれば、今後のコンピューティングの標準になれるかもしれない。なにしろみんな、あの出っ張るUSBメモリ持ってるんだから。

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